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03.  独立支援軍
 
 
 ソウは、ほぼ全力疾走で、公園まで走って来た。
 公園は、街灯がレンガ敷きの広場を照らしているだけで、シンと静まり返っていた。
 ……先程テレビで見た光景が嘘のように。
 
 ――とはいえ、ホームレスたちが公園に居るという根拠など、何もない。
 ただ、ソウが何となく、公園に走って来ただけなのだが……。
 
 社会人になってから、まともにスポーツなどしたことがない。
 ソウは息を切らして、膝に両手をついて肩を揺らした。
 ―――何をしてるんだ?俺は。
 今更ながらに、そう思った。
 
 しばらくそうしていると、少し頭が冷えてきたようだ。
 ――やはり帰ろう。守衛に見つかる前に………。
 そう思い、歩き出した時だった。
 
 公園の入り口に人影が見えた。3人、4人、……いや、10人近く居る。――武装した守衛だ。
 ソウは焦った。――逃げるか!?
 しかし、こんなに体力を使いきった状況で逃げたところで、後ろから銃で撃たれるのは目に見えている。……ここは、社員証を出して身分を証明し、何とか言い訳するしかない。
 そう考えている間に、ソウは守衛たちに取り囲まれていた。手にした銃口が、ピタリとこちらに向いている。
 ――ソウの汗は一瞬で冷や汗に取って代わった。
 
 「………すいません。怪しい者ではありません。――日にちを間違えて、ジョギングしてたんです……」
 すると、守衛のひとりがソウの差し出した社員証を乱暴に取り上げ、
「こいつ、正社員だぜ!」
と周囲に聞こえるように告げた。
 それを聞き、守衛たちはざわめいた。「社員がこんなところで何をしてるんだ?」「ジョギングなんてウソだろ」「守衛に報告する気じゃないか?」といった呟きが聞こえる。
 ――その様子を見て、ソウは違和感を持った。……こいつら、守衛じゃないのか!?すると―――!
 
 「何やってんだ?」
 守衛たちの背後から、もうひとり守衛がやってきた。
「怪しい『社員』を見つけたんだ!」
「どうする?殺すか?」
 後から来た守衛は、ソウの正面に来て、顔を覗きこんできた。そして、
「あ、この人は大丈夫だ。銃を下ろせ」
と、仲間に指示をした。
 ―――え?
 冷たい汗で、すっかりシャツが背中に貼りついている。――何とか状況を掴んで顔を上げると……
 
 目の前に居たのは、見覚えある、黒人の、――マックだった。あの、ホームレスの仲間の……
 という事は、やはり………
 
 「もし、あんたを見つけたらアジトに連れてこいって、『元帥』に言われてるんだ。一緒に来てくれないか?」
「―――元帥??」
「まぁまぁ、いいから」
 マックに腕を引っ張られ、ソウは歩いて行った。彼らを取り囲むように、――というか、完全にソウを警戒しての事だが――、他の守衛、の格好をしたホームレスたちもついて来る。
 ――ホームレスたちが守衛の武器だけでなく、衣服まで奪っていったのは、このためだ。「制服」というのは、味方を見分けるために非常に重要だが、逆に「敵」が着てしまえば、見分けるのが難しくなる。味方が本当に「味方」なのか……。――「敵」を混乱させるには、かなり有効な手段だ。
 ……ホームレスたちは、個別もしくは小グループで動いている訳ではない。明らかに、組織で動いている。――そして、かなり頭の切れる「指導者」が居る。それが、「元帥」なのか……。
 
 マックは公園を通り抜け、ゴミ捨て場の横に行くと、そこのマンホールの蓋を開けた。
「さぁ、入って」
 ……促されるまま、ソウは、地下水路に続くハシゴを降りた。
 ――地下水路になど入った事が無いが、メンテナンスのためか、通路もしっかりと作られていて、案外広い。 しかし、さすがに照明は無いので、マックに懐中電灯を渡され、その明かりを頼りに進んでいく。
 ……だが、この何とも言えない不快な臭いだけは、どうにかならないものか。
 しばらく行くと、脇に逸れる通路があり、その奥に、人が集まっている様子が見えた。電気ランタン程度の明かりで、顔まではよく見えないが、皆、守衛の制服を着ているようだった。
 
 「――『元帥』!アニキを連れて来たぜ!」
 ………アニキ!?明らかに、マックの方が年上だと思うが……。
 すると、一番奥に居た男が、こちらに手を振った。
「よう、ソウ。来てくれると思ったぜ」
 ――やっぱり。
 
 その男は、公園で会った、あのホームレスだった。
 
 すると、周囲のホームレスたちが道を開け、ソウを「元帥」の元へ通した。
 ――見ると、足元に銃や警棒、シールドなどの武器が山積みされていた。
 目を丸くするソウに、「元帥」は言った。
 
 「ようこそ、『ガニメデ独立支援軍』へ」


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