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 宇宙航行法の改正により、超高速での航行(ワープ)が可能になった今、地球~ガニメデ間は3日で行き来できる。火星に至っては、24時間あれば往復も可能だ。
 火星に比べ、ガニメデに来るまでに、割合的にこれだけ時間がかかるのは、もちろん距離の問題もあるが、火星と木星の間にある小惑星帯を通過しなければならないという理由が大きい。宇宙船でまともにここを通過するのは危険なので、「トンネル」と呼ばれる通路がいくつか作られている。そこを通らねばならないからだ。
 ――このトンネルを作る作業が大変で、そこに存在する小惑星や宇宙塵を、完全に除去しなければ、ワープの際に危険なので、多くの労力と時間を要した――、というドキュメント番組を、ソウは見た事がある。
 ……だが、その大工事も、もう100年も昔の話だ。
 
 ――それはともかく、3日後には、再びガニメデに危機が訪れる。
 たった3日で、一体どんな対策をすればいいのか?
 
 先程、ディケイルが言っていた通り、現状、こちらの兵力としては、輸送艦1隻と、銃器類約150人分、人員約500名。――うち、戦闘の素人のホームレスや鉱員が350名、ディケイルたちの「襲撃」でケガをして入院している守衛が50名、――一応、訓練を受けている即戦力が100名。
 相手は、宇宙戦艦をはじめ、戦闘機やらミサイルも持っている、「戦争」のプロフェッショナル。
 ……勝てる気がしない。
 
 「―――どうするんだよ!」
 ソウがデスクに向き合うと、ディケイルが答えた。
「策はある」
 ……こんな状況を打開する、そんな「神」のような策があるのか!?
「――だが―――」
 ディケイルは黙り込んだ。
 ………何だかんだ、焦ったところで、俺たちの命運は、この男に託すしかない。
 ソウは祈るような気持ちで、ディケイルを見つめた。
 
 ――しばらくすると、ディケイルがソウに指示を伝えた。
 それを、何となく担当が決まったらしい各部門に伝達する。
 
 まずは、シェルターに居座っているジョルジュ。
「―――え?3日以内にこのモニターを直せって!?無理ですよ、無理!!」
「直すだけじゃないぞ。『第1コロニー』と通信が繋がるようにしておいてくれ、だそうだ」
「えーっ!!」
 ジョルジュが頭を抱えた。
「そんな事言うんだったら、初めから、壊さないでくださいよぉ!」
 ……正論だ。
 
 次に、同じくシェルター内の鉱員たちをまとめているエド。
「……悪いが、一旦、鉱山に戻って、『アレ』を持ってきてくれ」
「何ですか?『アレ』って」
「おまえの仕事道具の『アレ』だよ。……持って来れそうか?」
「『アレ』で、外を歩いた事ないんすけど……」
「ちゃんと『道』の上を歩いて来れば、大丈夫さ。頼んだぞ」
 
 ――あとは、チャンとマックと、守衛隊長。――守衛隊長の名前は、マッド・テイラーというらしい。たまたま見かけたニーナの兄、エトウ・パルネラに聞いた。
「……元帥が、直接指示を伝えたいらしいから、一度、顔を出してくれないか?」
 
 それと、空港職員。
「輸送艦を、ハンガーに隠しておいてもらえないか?――ダンプカーが邪魔だったら、それは外に放り出しておけばいいそうだ」
 
 最後に、ワトソン空港長。――何だかんだで、すっかり「仲間入り」している。
「空港長!」
 自分の部屋を追い出され、他の従業員と同じ休憩室でコーヒーを飲んでいた空港長に、声を掛けた。
「元帥が、空港長に、特別な任務を伝えたいらしいので……」
「分かった!任せておけ!」
「……かなり危険な任務らしいですけど、大丈夫ですか?」
 だがワトソンは、今朝、銃を突き付けられて怯えていたのが嘘のように、晴々とした表情で、きっぱりと言い切った。
「部下の盾になるのが上司の役目だと、――あんたの上司に教えられた。
 皆を守るためなら、私の能力でやれるだけの事は全力でする。
 ――映画の主演を務めろ、などと言われれば困るがな」
 自分の「おやじギャグ」にワッハッハと笑いながら、ワトソンは言った。――案外、頼りになる人物なのかもしれない。
「あと……」
「何だ?」
「医者か看護師か、医療の心得のある方はいませんか?」
「……うん、確か、医務室専属の看護師が居たと思うが」
「一緒に、元帥のところへ連れてってもらえませんか?……手のケガが、痛くなってきたらしいので……」
 
 その翌日。
 再び、第3コロニーへ「見回り」をしに行った。
 ……今度は、行きも帰りも「地下道」を通って。
 マンホールからゾロゾロと出てきて、街中を行進し、またマンホールへと消えていく。
 ……きっと誰かに見られているだろうが、どう思われるだろうか……?
 
 ディケイルの真意は分からないが、とりあえず、やれるだけの事はした。
 ―――あとは、運命の女神だけが、その結末を握っている。
 
 
 
 ――地球。アース・コーポレーション本社ビル。
 最上階にあるCEO室で、ミカエル・アイヒベルガーはモニターを見ていた。
 ……ディケイルが見ていたのと同じ、ガニメデ暴動関連のニュースだ。
 
 ――首謀者は、初め、鉱山職員のソウ・ナカムラという男だと言っていたが、違っていたではないか。誤った情報を流すなど言語道断、そのような不確かな仕事しかできない人間には、懲罰を与えなければならない。――まぁ、会社に損害を出す事例でもないから、ボーナスを何割かカットする程度でいいだろう。
 そうしなければ、「職務」に対する「責任」が保てなくなる。
 
 しかし……。
 ミカエルはモニターを切り、椅子の背もたれに身を預けた。
 
 ―――あの男、生きていたか。
 
 報道部からの報告を受け、あの演説の模様は見た。――地球で放送できる内容ではなかったため、空港封鎖の模様を映像だけで伝えるよう指示したが……
 あんな煽り方をされては、現在のアース・コーポレーションの体制が危うくなりかねない。
 
 ――ディケイル・ウェイニー。
 
 やはり、徹底的に探し出して、始末しておくべきだった。
 「落ちこぼれ」だと侮って、油断した。
 
 「一斉清掃」に派遣した「掃除夫」たちをも丸め込むとは……。現在のところ、考えたくは無いが「完敗」だ。
 
 だが、さすがに次は、無い。
 あんなザコども相手に、わざわざ「宇宙艦隊」まで出すのだ。指揮する人間がどんなに無能だとしても、あれだけの戦力差を与えておけば、処理してくるに違いない。
 
 ―――もし、それができなければ、人間として存在する「価値」も無い。
 
 ミカエルは目を閉じた。
 ――さて、この一件が片付いた後、誰に、どう責任を取らせれば良いか……。


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