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 ………船から出ようとも思ったが、じゃあ、と言って、行く場所が無い。
 ソウの住んでいたアパートも、もう存在しない。――ダンプカーででも寝ようか。運転席なら、人ひとり住めるくらいの広さはある。暖房も完備だ。
 
 しかし、出口へ向かう途中で、マックに呼び止められた。
「おい、元帥見なかったか?」
「――艦橋で寝てた」
「そっか。……まぁ、疲れてるだろうし、起こすのも悪いな。
 ――なぁ、アニキ。……この子たちのこと、ちょっと見ててくれねぇか?」
 ……見ると、マックの背中に隠れるようにして、3人の子供がこちらを見ている。――第3コロニーで見つかった「生き残り」だろう。
「俺、シェルターに食い物を運んでかなきゃならないんだ。いいか?」
 ――なるほど。空港のレストランも全て破壊されてしまったので、今ある食料といえば、戦艦に乗っている、乗組員用の食事だけか。……まぁ、明日になって、他のコロニーに行けば、その後は何とかなるだろうが。
「俺が持っていくよ」
「……いや、かなり重いから、俺が行くよ。――じゃ、この3人、頼んだわ」
 マックは、「アニキの言う事をしっかり聞いて、大人しくしてるんだぞ」と子供たちに言い聞かせると、どこかへ走り去って行った。
 
 ―――仕方ない。さすがに、子供たちをダンプカーで寝かせるわけにもいかない。ソウは、先程見つけた休憩室の空き部屋に子供たちを連れて行き、ベッドに案内した。
「……疲れてるだろう?ゆっくり休め」
 そう言って、4つあるベッドのうちのひとつに、自分もゴロリと横になった。
 ――すると、そのまま眠ってしまったらしい。ハッと気が付くと、肩まで布団が掛けられていた。……子供たちの誰かが掛けてくれたのだろうか?
 見ると、子供たちは、ひとつのベッドで寄り添うように、静かに寝息を立てていた。
 ………このような孤児も、これから先、もっと出てくるかもしれない。――できるだけ、そうならないようにしたいが……。
 
 ――何となく、艦橋に放って来たディケイルの事が気になった。……あのまま寝かせておいて、風邪でも引かれたら困る。それに、もし、頭の打ちどころが悪くて、あのまま………。脳に損傷を受けた場合、すぐに症状が出なくても、何時間後かに突然――、ということもあると聞く。
 ……そうなってはたまらない。
 ソウは、壁際に積んであった毛布を手に取ると、艦橋へ向かった。
 
 だが、艦橋には誰も居なかった。
「……あれ?」
 ――どこに行ったんだ?
 ソウは、艦橋を出て、近くを通りすがった、空港職員らしい女性に聞いてみた。
「あ、元帥なら、さっき艦橋の床で寝てたんで、誰かが医務室へ連れて行ったみたいですよ」
「ケ、ケガとかしてたの!?」
「いや、そういう訳じゃなく、ただ、寝てただけみたいですけどね」
 ――ソウが殴った後、あのまま、眠っていたのか……。
 疲れているのは分かるが、それにしても……。
 
 仕方なく、ソウはついでに、医務室にも寄ってみることにした。
 ――別に、ディケイルの事が気になるから行くんじゃない。あの子供たちがもし、風邪をひいて熱を出したりした時のために、医務室の場所くらいは、確認しておかなければ……。
 
 しかし、医務室に居た女性看護師は、キョトンとした顔でソウを見た。
「元帥は見てませんよ?朝の銃撃戦でケガをした人が、何人か来たくらいですけど」
 
 ―――一体、ディケイルはどこに行ったのか?
 
 ……とりあえず、部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、すれ違った誰かがしている会話が聞こえた。
「………ライトフライヤーで、火星になんて行けるのか?」
「行けるワケないだろ。アレは、短距離用の戦闘艇だぜ?」
「だけど、さっき元帥に聞かれてさ、アレで……」
 『元帥』という言葉が耳に飛び込んできたので、ソウは思わずその2人を呼び止めた。
「――今、元帥って言ったな?」
「あ、『参謀長』!はい、確かに言いましたけど」
「……元帥がどうしたんだ?」
「なんか、火星に行きたいから、ライトフライヤーを出してほしいと……」
「―――は!?」
 
 ライトフライヤーとは、ソウでも知っている。宇宙戦艦に何機か搭載されている、小型戦闘艇の事だ。地球で言うところの戦闘機と同じく、空母を本拠地として戦地で主に爆撃を行うもので、とても長距離の移動には向いていない。宇宙戦艦の多くは、ドミニオンのように、「戦艦」と「空母」の役割を両方持っている。ドミニオンにライトフライヤーがある事自体は何の不思議もないが……。
 
 「――で、そんな事は可能なのか?」
「僕、宇宙航空学校を出てるんで知ってますけど、理論的には可能なんです。ただ――」
「ただ?」
「戦艦や輸送艦のように過重力対策ができていないので、ライトフライヤーで超光速航行をすると、中の人間が持ちません」
「………と、いうと?」
「地球の戦闘機でもですけど、戦闘機のパイロットって、かなり過酷な訓練を受けているから、操縦ができるんです。それを、素人がやろうとすると、――操縦中に意識を失って、墜落するのがオチです」
「…………」
「火星まで、フルワープでブッ飛ばしても、2日はかかるでしょ?フルワープで2日も操縦するなんて、いくら訓練を積んだ熟練のパイロットでも、さすがに無理ですよ。
 逆に、ワープを使わないでチンタラ行ったら、途中で燃料切れになります。――アンドロイドなら、可能かもしれませんけど……」
「―――それを、話したのか?」
「はい。元帥に聞かれたので、今の話をそのまましました」
「そうしたら――?」
「『そうか』って言ってました」
「………で?あいつ、……元帥は?」
「格納庫のほうへ行かれましたけど」
 
 ――イヤな予感がする。ソウは格納庫へ走った。
 
 ………だが、時は既に遅かった。
 格納庫でライトフライヤーの点検をしていたニーナが、ソウを見ると言った。
「元帥なら、たった今、ライトフライヤーに乗って行かれましたよ」
「……どこに行くか言ってたか?」
「いや、聞いてませんけど」
 
 ―――間違いない。火星に行くつもりだ!
 だが、こんなに混乱したガニメデを放っておいて、何をしに……!?
 
 ソウの脳裏を、最悪の予感がよぎった。
 
 ―――ディケイルは、我々を見捨てて、火星へ逃亡しようとしているのか!?


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