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 ――2日後。
 火星発ガニメデ行きの小型旅客船は、ガニメデ宇宙空港に到着した。
 巨大な仮設テントのロビーに当たる部分に足を踏み入れて、ソウは目を丸くした。
 ……だだっ広いロビーの中央に、空港の制服、そして守衛の制服を着た人々が整列している。――現状の、『ガニメデ独立支援軍』のフルメンバーかと思われる。――その中央に、マッド・テイラーが居た。
 この便でガニメデに戻る事は連絡してあったが、――何かあったのか!?
 
 ソウは足を止めたが、後から来たディケイルは、それを見ても驚きもせず、前に歩み出た。
「――迷惑をかけたな」
 マッド・テイラーに声を掛ける。だが、マッド・テイラーはそれには答えず、命令するような口調で言った。
「ディケイル・ウェイニー元帥。――貴官を『ガニメデ独立支援軍 宇宙空軍司令長官』に任命する」
 そして、辞令だろうか、紙切れをディケイルに差し出した。
 だが、ディケイルはそれを受け取ろうとはせず、言った。
「……本当に、俺が戻っても大丈夫なのか?」
 すると、すぐ後ろの列に居たマックが言った。
「俺らは、アニキについて行くつもりでここまでやってきたんだ。アニキが何者だろうが関係ねぇ。俺らの恩人であることには変わりねぇんだからな。
 ――たとえ、ガニメデとアニキがケンカしても、俺らはアニキに従うぜ」
 マッド・テイラーも続けた。
「言っただろう。私はおまえと『心中』するつもりでここに居る。ひとりでは心中はできん。――勝手に消えるな」
 それを聞いて、ディケイルはニコリとした。……こんなに穏やかなディケイルの表情を見た事があっただろうか。――そして、ディケイルは「辞令」を受け取った。
 
 「――続いて、ソウ・ナカムラ……ええと、階級は何にする?」
「『大将』でいいだろ」
 ………ちょ、ちょっと待て。何を勝手に決めてる?
「では、ソウ・ナカムラ大将。――貴官を……」
「ま、待ってくれ!」
 慌ててソウはマッド・テイラーの前へ駆け寄った。
「お、俺は何も聞いてないぞ?」
「だから今から言おうとしている。――ソウ・ナカムラ大将……」
「ちょっと待ってくれ!!」
 ソウは抗議しようとしたが、マッド・テイラーの後ろにズラリと並んだ男たちの列を見て、どう抗議していいのか分からなくなった。とりあえず、頭に浮かんだ事を適当に言ってみる。
「――マッド・テイラー総司令官、あなたの階級は何だ?」
「私は『大将』だ」
「では、それよりも下でないとおかしい」
「そうか?俺、総司令官の部下の空軍司令官だが、階級は上だぜ?」
 ディケイルが口を挟んだ。
「――おまえは例外だ!……とにかく、大将より下で……」
「では、ソウ・ナカムラ『中将』」
 ………適当過ぎて、もうどう言っていいのか分からない。――いつから、マッド・テイラーまでもがディケイルの適当さに洗脳されていたのやら……。
「――貴官を、『ガニメデ独立支援軍 参謀本部長』に任命する」
 ソウにも紙切れが差し出されたが、……ソウも、それを受け取るのに躊躇した。
「……俺、もう『総務大臣』はクビになってるのか?」
「知らない」
「さっき、仮設事務局にキャサリン何とかっていうオバサンから、電話が来てたぜ。ソウのアニキが来てないかとか何とか……」
「――なら、今から辞表を出してくる。これは、その後で受け取る」
「いちいち面倒なヤツだな。もらえるモンはもらっとけ」
 ディケイルが無責任な事を言う。――そもそも、こうなったとは誰のせいだと思ってる?
「分かった。では、後で必ず軍本部に寄ってくれ。
 ――任命式は以上!皆、ご苦労だった」
 マッド・テイラーの言葉に、一同は動きを合わせて、ピシッと敬礼をした。……マッド・テイラーとチャンが中心になって、メンバーの訓練をしているという話は聞いていたが、かなり成果が出ているようだ。
 ディケイルがそれに敬礼を返した。
「――この先、どんな地獄が待っているかは分からないが、あんたらの『命』は預かった。……もう、逃げたりしねぇよ」
 
 ……それから、ソウはコロニー管理局に向かった。
 『ガニメデ独立政府』が本部を置いている部屋に入るとすぐに、キャサリン女史の声が飛んで来た。
「ナカムラ総務大臣!あなたは自分の職務を投げ出し、火星に行っていたとは本当ですか!?一体、どういうつもりで……」
「責任を取って辞表を出します。――ちょうど選挙期間中です。問題は無いでしょう」
 呆気に取られるキャサリン女史の前に、宇宙船の中で書いた『辞表』を叩き付け、ソウはくるりと踵を返した。
 
 その足で、旧第3コロニーに置かれた、『ガニメデ独立支援軍』の事務局に行った。
 マッド・テイラーをはじめ、マックやチャンやエドや、顔なじみのメンバーが、適当に並べられた感じのデスクに着き、書類の整理をしたりコーヒーを飲んだりしていた。
 ――軍総司令官とはいえ、個室を持てる程の余裕は無い。まだ、何もかもが「仮設」なのだ。
 マッド・テイラーから改めて「辞令」と、制服と階級章を受け取り、その後、火星土産のクッキーを配って回った。――ディケイルの姿は無い。どこに行ったのか?
「アニキは帰ったぜ。レイに謝らなきゃいけないとか言って」
 ――まぁ、当然だ。
 それから、ソウはマックから今の『軍』の状況を聞いた。
 ……まず、アレックス・マクレガー少将は、「警察」に当たる、『コロニー防衛隊』の長官という職にあるようだ。そして、チャンは、マッド・テイラーの『副司令官』として、主にメンバーの教育に当たっている。
 エドは、「大佐」の位をもらって、ジョルジュたち「ラボ」の面々が開発中の、「巨大戦闘ロボット」のパイロットの育成という事で、パイロット候補者たちにゴリアテの操縦の指導をしている。
 ――皆、自分の得意分野で役割を得て、生き生きとしているように見える。
 ……さて、問題は、『参謀本部長』という役職が、どんなモノであるのか、さっぱり見当も付かない事だ。マックは
「今まで通りでいいだろ」
と言うが、そんなモンだろうか?
 
 火星は、自転周期がほぼ24時間であるから、地球と同じ時間単位が使われている。しかし、やはり「時差ボケ」というのは存在する。さすがに疲れた。
 夕刻に近い時間でもあり、何をすればいいのかもよく分からなかったため、ソウも帰宅する事にした。


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