忍者ブログ
オリジナル小説のダストボックス

WRITE | ADMIN

PR
カウンター
プロフィール
HN:
碧井 湊
性別:
非公開
自己紹介:
頭の中には、
いつも何かのストーリー。
なかなか、
文字にならないのが難点。

詳しい事はこちらへ。
メールフォーム
感想・ご意見等 お気軽にどうぞ
Powered by NINJA TOOLS
忍者サイトマスター
バーコード
ブログ内検索
当ブログの利用方法
★プラグイン最上部のブログタイ
 トルをクリックで、トップページ
 へ戻ります。
★トップページより、各小説タイ
 トルをクリックで、目次ページ
 へ進みます。
★プラグイン内「カテゴリー」から
 も、目次ページを開けます。
★小説各ページに「次へ」のリン
 クはありますが、「前へ戻る」
 リンクはありません。プラウザ
 内の「←」をご利用いただくか、
 一度目次ページへ戻るかして、
 ご覧ください。
アクセス解析


忍者ブログ [PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


web拍手 by FC2


31.  絶体絶命
 
 
 「バカ言え!おまえ、まだ入院中の身だろう!」
 ソウは真っ当な意見を言ったつもりだったが、ディケイルは呆れたような目をソウに向けた。
「バカはどっちだ?今は、誰が指揮するかよりも、これからどうするかの方が重要じゃないのか?なのに、大の男が顔を突き合わせてお互いに譲り合っちゃって、見てて呆れたぜ」
 ――そう言われれば、何も言い返せない。ソウたちは顔を見合わせた。
「無重力下に居る分には、足が何本だろうと関係ねぇ。
 それに、地球側が準備を整えてこちらにやって来るまで、少なくとも1週間はあると見ている。今回は大軍だ。そうすぐには来ないだろう。
 それだけの時間があれば、退院できるさ」
 ……いや、できるできないでは無く、「させる」というのが正解だろう。
「その間に、やっておいてもらいたい事がある」
「――というと、何か、宇宙艦隊に対抗できる『策』があるのか?」
 ソウの質問に、ディケイルはニヤリと返した。
「あぁ、無くは無い。――だが、今回も、絶対的に勝利を保証できるようなモンじゃない。少しでもその確率を上げるために、事前の準備が必要なんだ」
 
 ディケイルは、無事なほうの左足を机に乗せ、膝を抱えた。
「まず、チャン大将。あんたに別動隊の指揮を頼みたい」
 それから、チャンにガニメデの大地を覆っている氷を切り出し、それを輸送できるように整えておいて欲しいと言った。
 確かに、ガニメデは氷に覆われた惑星で、氷など、いくらでもある。――そんなモノを何に使うんだ?
「あと、エド。――ラボの連中に連絡を取って、例のものがどこまでできてるか、確認してくれ」
 ――例のもの。間違いなく、「巨大戦闘ロボット」だ。しかし、計画から2ヶ月ほど経過しているが、未だ使える段階になったという話は、ソウのところへは届いていない。
「それから、ソウ。ドミニオンを戦闘に使えるように整備しておくように、空港の連中に言っておいてくれ。あと、貨物船を何隻か用意してほしい。――火星に頼めば、回してくれるだろう」
 ドミニオンの件は問題無い。ニーナが既に動いている。……だが。
「こんな時期に、火星は協力してくれるだろうか?」
 ソウと同じ疑問をマッド・テイラーが口にした。
「手は打ってある」
 ――恐らく、フォンシェ・アレハンドロに既に依頼をしてあるのだろう。
「……それから、テイラー総司令官。あんたには一番大変な仕事を任せなきゃならない。
 ――何とか、今回の会戦が終わるまで、議会と市民をなだめてくれ」
「確かに、非常に難易度の高い仕事だな」
「絶対に、市民に銃を向けるな。そうしたら、戦争を始める前に、負けが決定する」
「分かってる」
 
 それから、ディケイルは事務所内を見回し、言った。
「――そいや、あのオッサンは?」
 ソウは、言われてから思い出した。――そうだ、マーガレットに確認しなければならない事があった。あいつと決着を付けなければ、安心して戦争もできない。
「邪魔だったから、たまたま来ていたジョルジュに預けて、難民施設の部屋にでも放り込んでおいれくれと言っておいた」
「……なんで、ジョルジュが来てたんだ?」
「何か、あのオッサンに頼まれて、アニメのディスクを持ってきたとか言ってたな。最近、よく来るんだ。仕事の合間とか、出勤のついでとか言って。――よほど、気が合うんだろうな」
「…………」
 ディケイルは爪を噛んだ。
「――そういや、あのカミラとかいうオバサンの家から、爆弾がもう1個出て来たと言ってたな」
「あぁ。それは回収して、警察に厳重に保管してある」
「てコトは、だ。……他にも爆破したかった場所があった、という事だ」
「そうかもな。しかし、それだけは防げた事になる」
「いや、……そうとも限らない」
 ディケイルの言葉に、マッド・テイラーは険しい顔をした。
「どういう事だ?」
「ミカエル・アイヒベルガーのあの発表で、マーガレットの役割は終わった。もう、犯人で無いとごまかす必要が無くなったんだ。……だが、まだ目的はひとつ達成されずに残っている。正体がバレるのを覚悟で動けば……」
 ――無意識に、ソウの足が動いた。
「ソウ、どこに行く気だ?」
「マーガレットに、確認に」
「何の?」
「マーガレットは、化粧品の中に、爆弾の材料を隠し持っていた可能性がある」
 ――化粧ポーチの中は見たが、口紅やらマスカラやらのフタを開けてまでは確認していなかった。口紅ケースの中に、爆弾の材料となる金属化水素のカプセルを隠していたとすれば……。
 ニーナの言っていた違和感が説明できる!
「――盲点だったな」
 ディケイルは苦々しい表情をした。あまりにも大っぴらにしていたから、まさか、その中に核心となるモノが隠されているとは、考えもしなかった。
「だが、どうせもう難民施設には居ないだろう。――ジョルジュに連絡を取れ!」
 急に、ディケイルが顔を上げた。
「次の爆破の対象は、ラボの可能性が高い!」
 
 ――ディケイルやソウが、本来、鉱山で使う機械の整備を担当するラボに出入りするのは、他から見れば不自然に見えるだろう。それを、ガニメデ国内のスパイが感知した。……「巨大戦闘ロボット」の情報まで得ていたかどうかは分からない。だが、ラボを爆破すれば、ディケイルの何らかの企みは阻止できる!
 
 エドが携帯端末を取り出し、ジョルジュを呼び出した。
「――よっ、エド。こんな朝からどうした?」
 スピーカーを通して、ジョルジュの呑気な声が聞こえた。……マーガレットに人質にされているとか、そういう事は無さそうだ。
「おまえ、どこに居るんだ!?」
 エドの緊迫した声に、ジョルジュは戸惑ったような返事を返した。
「通勤途中の車の中だけど、……それがどうした?」
「マーガレットはどうした?」
「あぁ。さっき軍の事務所に寄った時、テイラー司令官に連れてってくれって頼まれたから、難民施設に行こうとしたんだ。そしたら、事務所に忘れ物したから取りに行くって言って。――でも、僕、遅刻しそうだったから、ひとりで大丈夫って言ってたから、そのまま来ちゃったよ」
「――バカか、おまえ」
「………何が?いきなりなんでおまえにバカとか言われなきゃならないんだよ?」
「おまえ、自分のした事の意味が分かってんのか?」
「意味が分からないのはおまえの方だろ?僕、こう見えてもおまえより年上だぜ?前から生意気な口をきくヤツだとは思ってたけどな……」
 ――エドにこのまま話をさせておいても不毛な気がしたので、ソウはエドから携帯端末を奪い取った。
「ジョルジュ。落ち着いてよく聞け。……マーガレットから、何か預かってないか?」
「あ、ナカムラ参謀長、おはようございます。――預かって、というか、ラボのみんなで食べてねって、ケーキをもらいました」
「――それ、どんな容器に入ってる?」
「普通の紙の箱ですけど。リボンがしてあります」
「中身は見たのか?」
「いえ、見てませんけど。――見てみますか?」
「いや、開けるな。――光に反応して、爆発する恐れがある」
 ソウの言葉に、ジョルジュは息を呑んだようだ。
「……ば、爆発って、どういう事ですか?」
「恐らく、その箱の中に、爆弾が仕掛けられている。――それも、とびっきり強力なヤツだ」
「………ま、マジすか……!?」
 携帯端末の不鮮明な画面の中でも、ジョルジュの顔から一気に血の気が引いて行くのが見て取れた。
「お、俺、どどどど、どうすれば……?」
 すでに半泣きの声で、ジョルジュがソウに訴えた。
「俺に貸せ」
と、腕を引っ張るので、ソウは携帯端末をディケイルに渡した。
「いいか。まず、その爆弾がどうやったら爆発するように仕込まれているかを調べる必要がある。とりあえず、箱の外から耳を当ててみろ。時計のような音はするか?」
 少しして、ジョルジュが答えた。
「――何も音はしません」
「そうか。……まぁ、音がしない時計なんていくらでもあるから、何の当てにもならないけどな」
「そんなぁ……」
 ――だが、ジョルジュを冷静にさせる効果はあったようだ。
「とりあえず、そこで待ってろ。今すぐ行く」
 携帯をエドに返し、ディケイルは立ち上が――ろうとして、固まった。顔色が悪い。ソウから見て、先程から何となく様子がおかしいとは思っていたが……。
「――麻酔が切れたんだろ?」
「うるせぇ……」
「エド、チャン大将、悪いが、こいつ――元帥を病院に連れてってくれ。爆弾の件は、テイラー大将と俺で何とかする」
「了解!」
 エドとチャンに両脇を抱えられ、それでも「病院には戻りたくない」と駄々を捏ねながら、ディケイルは「連行」されて行った。その背中に向かって、
「これから、おまえの病室に作戦本部を置く。――それなら文句ないだろ?」
と言うと、ディケイルは恨めしい顔でソウを睨んだ。
「………おい!大変なことになったな!――って、おい、どうしたアニキ?」
 ちょうどマックが来たところだった。相変わらず、松葉杖は欠かせないようだが、何とかひとりで動けるようにはなったようだ。……というより、奥さんにそう訓練されたのか。
 ソウは、マックの肩に手を置いて、言った。
「マック少将、頼みがある。かなり難しい任務だが、やってくれるか?」
「あぁ。こんな俺でも出来る事なら、何でもやるぜ!」
「――じゃあ、今から病院に行って、あいつが脱走しないように見張っててくれ。……頼んだ」


>> 次へ
PR

web拍手 by FC2


※ Comment
HN
TITLE
COLOR
MAIL
URL
COMMENT
PASS


※ この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:



Powered by 忍者ブログ  Design by まめの
Copyright © [ Second Box ] All Rights Reserved.
http://secondbox.side-story.net/